2010年08月16日

テレビ

 父が動き出した。テレビの方に向かって動き出した。何度も失敗してからようやくテレびをつけた。父は横を向いてテレビを見始めた。僕が来ていることは覚えているだろうか。忘れてしまったのかと思うと、僕は少しおかしくなった。悲しみの中にも突然おかしみが湧いたりするものだ。悲しみが消えるわけではないけれど、世の中は悲しみだけに支配されるわけではきっとない。
 父は黙ってテレビを見ていた。僕は父越しにテレビを見たり、父を見たりした。父の手首にはサマーソニックから戻ってきたように何かのしるしが巻かれてあった。

posted by 望光憂輔 at 00:11| ソロ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。