2010年09月16日

ゲゲゲの女房

「お父さん。帰ったよ」
 
「先生!」
 両目が僅かに開いた。やはり、そうだ。先生と言った方が反応が強い。もう僕はそのことにほとんど確信を持っていた。今度は学校のチャイムを鳴らしてみよう。どこかにあるはずだ、そのような音も。父は、遠い星からじっとこちらを見つめている。

「読んでみなさい」
 母が言った。資料やらパンフレットやら本やら……。

「ゲゲゲの女房見る?」
 父の方にテレビを傾けた。なかなか上手い具合に父の方に向かない。
「もっとこっちに動いたらいいのにねえ」
 父は、ゲゲゲの方を見なかった。母は、その内、消してしまった。
 ホスピスの本を読む。隣で女は、パズルを解いている。

posted by 望光憂輔 at 20:29| ソロ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

エレベーター

「エレベーターに乗るのが怖くてね」
 母が言った。
 前は、人の乗るのについて行ったのだと言う。自販機でジュースを買うのも怖かったと言う。機械が苦手な母だった。

「なかなか降りてこないね」
 午後は曇り空。なかなか降り出さない。

posted by 望光憂輔 at 20:10| ソロ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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