2010年10月18日

通夜

 正しい流儀は誰も知らない。だから、みんながまちまちのことをした。高い音を出して叩く者、そっと手を合わせるもの、一度だけ叩いてみる者、礼をする者、何度も礼をする者、ある程度する者、高く掲げる者、そっとみかんを置くように置く者、人と反対にする者。そうこうする内に、玉串が最後になり、ついに残りは合同ですることとなった。代表の者が前に出て玉串を捧げる。遥か後ろの方で、姿の見えない者たちの手拍子だけが、微妙な時差を伴いながら、鳴った。知らない人がたくさんいることがわかった。知らない父がたくさんいたのだ。
 ユウちゃんは、ちょうどよいタイミングで眠りに入っていた。
 兄が、喪主に代わり挨拶を読み上げた。完全な構成の挨拶文を読み終えた。母に触れる一文が現れて、僕の涙を強く誘った。けれども、挨拶が終わると同時に、みんな一斉に立ち上がったのである。ありがとうございました。

posted by 望光憂輔 at 17:26| はやかったね | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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