2011年06月23日

侵入分類者

 誰かがやってきたのでみんなで化石になった。執拗なノックが止み、敵は去るものだと思っていると玄関の横から男は空色の道具箱を抱えて入ってきたのだ。どうして入った?と訊くと「こうすれば入れるでしょ」と僕よりも家の構造を、玄関口のからくりを知った男は平然と言った。110番に通報し、被害を訴えた。「いきなり入ってくるのは怖いでしょ」と言って訴えた。「怖いですね」と女は共感の態度を示し、けれどもその後に続く提案めいたものは何もなかった。そうしている間にも、侵入者は、部屋中のコンセントに謎の物体を手際よく装着する。「ねえ、怖いでしょ」訴えると女は「怖いですね」と園長先生のように親身になって共感の態度を示し、そして黙り込んだ。僕たちはみんなで座椅子に座って落ち着いた。
 時代掛かった座椅子にはそれぞれの背中に短刀が備わっていて、一大事となればいつでもそれらを抜く準備ができているのだった。無礼な侵入者は、家の箪笥の中を物色し、畳の上に用意した木箱に分類し、振り分けている。「これはいる物、これは大事な物、これはみんなの物、これはいつか使う物、これは思い出の物、これは個人的な物、これはどうしようもない物」そうして箪笥を開ける毎に、虫が飛び出し部屋を舞い、姉は殺虫剤を持ってきて散布するが、弟は「いい虫もいるよ!」と叫び女の前に立って邪魔をした。「何を分類している?」僕は短刀を抜き、男の背中を切りつけると急に部屋の中に雪が降り、妹は「雪だ雪だ」とはしゃいだ。「最後にはみんな捨てるさ」と男は弁解し、分類を続けた。

posted by 望光憂輔 at 01:24| 夢まち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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