2011年04月27日

ショッピング

 いつの間にか雪はとけてしまって、僕は一人に逆戻りしてしまった。
「いらっしゃいませ」
 一度としてそう言われたことのない店で、僕は新しい包帯を探す。今度は、自分一人で巻かなければならない。素材、太さ、長さ、耐水性、豊富な選択肢の中から自分に合った包帯を選ぶことは、簡単なようで難しいことだった。どれでもいいと思える中から、どれか一つを手にすることはいつも難しく、そのせいでどうでもいい場面で、無駄に時間を浪費してしまうということがよくあった。迷いを断ち切るためには、何か一つの閃きのようなものが必要だった。それは求めに応じて訪れる時もあれば、長い時間の果てに遅れてやってくる場合もあった。
 ようやく一つの決断をする時がきた。巻けば巻くだけ勝手にくっついてゆく、僕はその包帯を手に取ってレジに向かう。
 僕は何を食べて生きてきたのだろう……。
 いつも、逆戻りした時は、わからなくなる。

posted by 望光憂輔 at 21:17| 冬の包帯 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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